bboy界においてShowは最後のブルーオーシャンである

個人主義が跋扈するbboy界において、おざなりにされがちなものと言えばshowと言えるだろう。

 

個人技やバトルルーティンは目覚ましい発展を見せているが、ことshowとなるとまだまだ改善の余地が多々ある。

 

個人が重視されるbboy界においてshowはややもすると忌避されがちなものである。

 

個人の練習時間を奪われる、チーム全員が揃わないと練習ができない、そもそもチームより個人という価値観、構成におけるプロフェッショナルの不在、等々時間的にも物理的にも練度を上げることがかなり難しい分野である。

 

一昔前ならばおざなりなルーティンと個人技の出し合いのような形で問題なかったものが、今現在エンターティメントとして昇華させるにあたり様々な要素が脱落していると言わざるをえない。

 

使用する楽曲の選定に始まり、楽曲に沿うコンセプト、効果的かつ斬新な演出・構図、これらをメンバーの技能に合わせた形で構成する必要がある。

 

その他にも完成度を高めるための反復練習、チェック、その都度の改善、メンバーの日程調整など、自他ともに満足し、高い評価を得るためにshowを作ろうとするとその労力は甚大なものとなる。

 

ソロのみで十分なエンターティメント性が発露可能なことも拍車をかけており、show文化が発展しないことの足枷となっている。またshow文化が発展しなくても特に問題ないというスタンスが存在しているという厳然たる事実が存在する。

 

bboyのshowは、根本的な構成において長らく発展を見ないまま今日に至っている。

 

コンセプトや文化の導入などはあるにしても、showとしての構成はほぼ変更がないままであり、技を見せる、という点に終始している。

 

とは言えども、一般層がbboyingに求める要素は技に他ならないわけで、showの発展はそうした既定路線を破壊することも求められ、価値の多様化推進という意味合いも持つ。

 

万人に受容される、マンネリを打破する、という点において代表的なものと言えばテクロノジーとの融合、舞台装置の活用が挙げられる。

 

また、プロの演出家に依頼するという手もあるが、プロに金銭を支払いカルチャーを押し上げるという概念も希薄であり、なるべくお金をかけずに自前で完結したいという意識がまだまだ強い。

 

一般化させるためには既存のエンターティメント業界において、どういった手法で膠着状態を打破し需要を伸長させたか、という点の分析・研究も必要であり、こうした未着手の分野はbboy界における数少ないブルーオーシャンの1つである。