オリンピック後のbboyingに対して社会はどのような変化を起こしうるか

スケートボードを例に挙げてみましょう。

 

日本人が金メダル!凄い!

 

でも周囲を見回してみるとガラの悪い奴らがやってはいけないところで騒音撒き散らしながらスキルを上げるでもなくオリンピックを目指すでもなくただただ日常の憩いのワンシーンとしてたむろしてるだけで迷惑極まりないからマナーを守れ、というような論調が主流かと思います。

 

スノーボードも結局やってる層はチッうるせーなとカウンターばりばりだったりするんで、別にその業界でレジェンドだろうがなんだろうが、オリンピックに出る時点で規範になることを強制的に求められるわけです。

ルールなんてうぜーと思うなら出なければいいわけで。

優等生のいい子ちゃんなんて思われたくないけどオリンピックには出たいは虫が良すぎるわけで、出る以上は最低限のルールは守らないとバッシングされて競技のイメージが悪くなるだけです。

 

そして、技術以上にこうしたモラル・ルールの面からもオリンピックにより超上位層との断絶が発生します。

 

ほとんどのbboyにオリンピックは関係ありません。

いつもと変わらぬ化け物が集うだけでほとんどのbboyはそこに至りません。

 

ぶっちゃけお行儀よくする必要もないし義務もありません。

 

オリンピックbboyサイドからすると止めてくれよ、、、と言った感じですがまぁそんなもんです。

 

オリンピックにより実際にメリットを享受するのは出場者やその関係者、bboyingを飯の種にしている層です。

 

それ以外の層にはぶっちゃけメリットらしいメリットはありません。

 

bboy界全体では裾野が広がることで将来のモンスター誕生の可能性が高まるかもしれませんが、既存bboyにとってはにわかが話題にし始めて下手したらイラつくまであるかもしれません。

 

陰日向だからこそ享受できたメリットの方が大きかったかもしれない、と後年に言われることだけは避けたいところです。

 

実際にオリンピック仕様のbboyignをどう楽しむか、についてはあくまでライト層ありきということを認識していないといけません。

 

技もルールも背景も文化も暗黙の了解も何もわからない状態で見るわけです。

上げ膳据え膳で事細かに解説する必要があります。

もっと言えばテレビってそういうものですし、一人の人間が理解している範囲なんてたかがしれているので、テレビを見る誰しもがこの強力なメリットを享受してるわけです。

ほとんどの人間が情報弱者だからこそ丁寧に説明してくれるわけです。

専門家からすればテレビは切り取りや誤解釈が多いと言われますが、それはもう構造上しゃーないんですよね。

知識0の人間に対して、短時間で効率的に伝えるためには限界があります。

違うっていうんだったら言うてる本人が長時間延々と講釈垂れる動画をアップすればいいわけですが、ほとんどの人は別にそこまで知りたくもないし求めていません。

 

なんとなくわかればいいんです。

それを満たしてくれるのがテレビやネット動画なわけで。

 

既存bboyはオリンピックで淡々と解説されても興醒めなんですけど上記の理由から致し方ないんですね。

ぶち上げテンションのhiphop感満載の解説なんか多分されないのかなと思ってます。

 

何が起こったかわからないけどなんだか凄いことが起きた。

これが一番脳にクル。

ぐちゃぐちゃ解説されるとそれに影響を受けたり雑音にしかならないわけで、見たままに自分が感じたいというアート性を阻害されることはかなりのデメリットです。

しかし、なんとなく最大公約数的な縛りの中ではそれが最適解とも言えるわけで、ここに異論を挟む余地はありません。

 

オリンピックは生粋のbboyingバカ達が楽しむイベントというよりは、このイベントを通じて社会がbboyingに対してどのように価値変容するかを観察することを楽しむ、という方が適切かもしれません。

 

誰それが金メダルを取った!という真っ当な楽しみ方の後にメインディッシュが待っているはずです。