インターネットの発達と人類の発達は比例関係にあります。
ブラックボックスとなっていたありとあらゆる構造・仕組みが、インターネットとそれを公開することで得られる「金」により広く明らかになりました。
これはBBOY界も例外ではなく、インターネットが無ければこれほどのレベル向上はありえなかったでしょう。
アナログ時代は口伝え・物理的な映像保存媒体のため伝播が極端に遅く、進化のスピードもまぁそれなりといった塩梅が、ネットにより遥か遠くの出来事も即座に把握できるようになったことで異常なスピードで進化することが可能となりました。
実際にいるかどうかは別にしても、誰もダンスをやっていないような離島の奥地であったとしてもネットさえあれば世界レベルの踊りをすることを可能としました。
ありとあらゆる教則がネットに溢れておりそれが驚異的な進化に貢献したことについて異論はないでしょう。
しかし、これはBBOYに限ったことではないかもしれませんが、「出し渋り」という老害特有の性質により人類の進化スピードというのは抑制されている側面があります。
BBOY出し渋り老害三大あるあるとして
曲を教えない
最新の映像を見せない
コツを教えない
以上が挙げられます。
これはインターネットが発達する前に見られた人類の特徴とでも言えましょうか。
とにかく簡単には教えない。
目で見て盗め、という良く言えば職人気質、悪く言えばただの非効率・非合理の足引っ張り老害。
なぜならば自分の立場が危うくなるからです。
効率的に教えてしまえばあっという間に自分よりも上手になる可能性があるからです。
俺も苦労したからお前も同じ苦労を味わえ、という個の利益が優先し人類という種族の進歩を度外視した足引っ張り老害が跋扈していたためです。
あらゆる分野で異常なまでに発展速度が加速している現在においては、あらゆるシステムを効率的に構築しなければ時代に取り残されてしまいます。
そうした中でもまだBBOY界において遅れているのが知識の部分でしょうか。
新しく提唱されたHIPHOPの要素であるKNOWLEDGEではありますが、実態は老害の既得権益保護です。
HIPHOPの歴史や知識が無い者は真にBBOYではなくHIPHOPERではないという概念です。
ではなぜこれが既得権益保護なのかと言いますと、単純にフィジカルの問題が挙げられます。
他のHIPHOPエレメンツと比較してもフィジカル一極集中のBBOY界において年齢を重ねることは、そのものずばり価値の毀損となります。
俺が勝てねーじゃん偉そうにできねーじゃんというところです。
偉そうにしてたいな~でも難しいことできないしな~というところで繰り出されるのが「知識」ということです。
これはありとあらゆるジャンルにおいて見られることなのでさして特別なことではありません。
自己の保存が最優先なのでしょうがないことです。
ですが、この知識というものもネットであれば即座に伝播させることが可能です。
それをしないのはなぜか、というのは前段で述べた通り自己の価値保存のためです。
BBOYINGを広めたい!と言っているにも関わらずクリティカルな部分はクローズドにしてしまうあたり恐ろしいほどの矛盾なのですが、そこは察してあげましょう。
BBOYINGの認知度を上げ、諸々の誤解を解くための最適解はネットの利用以外にありません。
あらゆる企業がネットを無視できないほどにその有用性というのは広く認知されています。
今時ネットを利用しない企業はありません。
利益向上にこれ以上ないほどのツールだからです。
それをしない、ということは単に自己価値保存・エゴの充足に過ぎないということの証左でもあり二枚舌と捉えられても仕方がないでしょう。
時代に合わせて進化する技術とは裏腹に、前時代的な老害のためのエレメンツがKNOWLEDGEであるというのが現状です。
1990の起源を知っている者より1990を10周回れる者の方が価値があります。
そういうことですね。