ムーブのみに囚われているレジェンドやベテランは今後さらなる淘汰圧によりその存在意義を失うことになるのは必定だと考えています。
身体能力では勝てない。
イマジネーションでも勝てない。
そんな状況で知識を披露したところで鬱陶しがられるだけ。
そうなると体現できるのが長年培った音楽の部分だけとなります。
ダンスを続けていく上で青天井で成長するのは「音楽」の部分に他なりません。
どんなに体が衰えようとも今まで聞いてきた音楽の数、また刻んだビートは蓄積され失うことはありません。
つまりこの時点で生粋のパワームーバ—やネタ師、ルーティン型の方は引退を余儀なくされることになります。
サーカスだと揶揄される時代もあった中でここまで生き残り進化を続けているジャンルではありますが、やはり音楽を体現するには限界がありムーブ先行型であることは否めません。
これをもってダンスではないと断じるつもりはありませんし、bboyのパワームーブはbboyingの中でしか表現できない独特のジャンルであり、当然ダンスの枠組みに収まるものであると確信しています。
しかし身体能力の衰え、難度の底上げがなされる中で没落していくことは必定です。
ネタ師やルーティン型の方についても同様のことが言えるかと思います。
本来的にムーブありきのスタイルであることに加え、身体能力に頼ったネタが跋扈していく中では鮮度の維持やフレッシュムーブを生みだすことは容易ではありません。
ルーティンに頼りっぱなしの場合も同様で、難度を保ったまま常にフレッシュでい続けることは非常に困難です。
ごく一部の天才を除外してここらも淘汰されます。
bboyはとかく自分がやりづらい動きを敬遠する傾向が強く、特にダンス・音楽的な部分がウィークポイントとして挙げられます。
これはもう当然の話で、一通りダンスのジャンルを見た中でインパクト重視のジャンルであるbboyingを選択してるわけですからそうした指向性があることは否定しようがありません。
ダンスジャンルの中でも特に視覚>聴覚タイプが集まりやすい傾向にあります。
また、ガリガリ君がヒットしたからずっとそれでやっていこう!というような硬直思考型も多数で、大ヒットで長年価値を維持できることは非常に稀であるにも関わらず成功体験から逃れることができません。
エアチェア、ヘッドスピン、縦、エアー
いずれにしてもバリエーションが必要でバリエーションが尽きた時に賞味期限も切れるため、新たな選択と投資を行う必要があるわけですが、愛着があるが故に壊れてしまった玩具と言えども容易に手放すことができないジレンマに縛られることとなります。
覆水盆に返らず。
安定期の内に変革を行わない者は淘汰されるという自然の掟に従わない者は凋落するのみ、というところですがまだまだbboy界は優しいもので、まーた代わり映えしないことしてるけどまぁこの人はこうだしな、と内心ディスられるくらいで終わります。
繰り返しになりますが体は衰え、ニュームーブを生みだす気力も萎え、頭でっかちになって昭和のお菓子いかが?といった層に転落する憂き目にあうくらいならば、まだ音楽や自己のこだわりの追及・進化に目を向けた方が長く薄く価値の保存ができるのでは。
bboy界のインフレぶりがリアルドラゴンボールになっている現状、追随できなければそれだけで価値の毀損に繋がるシビアさ故、どう自己の価値を保つかが喫緊の命題ではないか。
要はリスペクトされたければ「今のままじゃだめ」という意識を常に持ち続けなければならない、ということですね。