実力主義が故に金や地位がチラつくとすぐにプライドを捨ててしまう現実

BBOY界に限らずですが世の中は弱肉強食の実力主義です。

 

基本的に弱者は相手にされません。

 

「弱者」という看板を利用して金を巻き上げてくる連中もいますが、そういった類の方々は本質的には弱者ではなく、相手が心理的に抵抗できないよう「弱者」という権威を笠に着て恫喝しているのとなんら変わりはなく、強者そのものです。

肉体的に屈服させるか、精神的に屈服させるか、の違いしかありません。

 

まぁそれは置いといて

 

下手なBBOYはまったく相手にされません。

 

嘲笑の的であり完全に舐められ、空気のごとく無視されます。

 

そりゃそうです。

 

上手いBBOYからすると下手なBBOYと関わるメリットなぞまったくありませんし、そもそもバトル文化といういかに他者より優れているか、黒か白か、という世界ですから上手ければなんでもアリの世界です。

カースト制度ほど酷くはありませんが、厳然としたヒエラルキーが存在しています。

が、下剋上が容易であるのもbboy界の特徴だったりします。

あまりにも過酷で積み重ねてきたものを上積みすることが非常に困難なため、トップ層は長く立場を維持することができないからです。

またシーンの成長速度が速いため適応できない者から脱落していきます。

 

そのため、舐めきってバカにしてた初心者がいつの間にか自分より上手くなっているということが往々にして発生します。

 

そうして辛酸を舐めてきた者が上に上がると、やはり同じようなことが起こります。

 

まぁ当たり前です。

 

自分より地位・能力において劣る者がいる、という状態ほど甘美で人間の本能を心地よくくすぐるものはありません。

 

それは歴史や社会が証明しています。

 

苦しい練習に耐えることができるのも、極論を言ってしまえば優越感に浸り、他者を見下すため、という欲求が理由の1つと言っても差支えありません。

 

そして、BBOYが本質的に抱えている欲求をすべて満たすためにはどうしたらいいかと言うと、単純に上手くなり勝ちまくることです。

 

上手くて勝てる

 

それさえあれば精神面は満たされます。

 

シーンの変化に順応しながら常に進化し洗練され続けていくことこそがBBOYの本懐です。

 

ところが、そうは問屋が卸しません。

 

気が狂ったような高強度のトレーニングに肉体は悲鳴を上げ始めます。

 

体がもうついていけない。

 

ダンスばっかりやっていたせいで金もない。

 

じゃあどうするか、というところでBBOYらしからぬ行動をし始めます。

 

今までまったく興味の無かった層へ食い込み始めたり、他の畑へ繰り出し始めます。

 

普及、教育、慈善を掲げ始めたりするあたりで、その人間の本質を知っている者達からすると失笑を禁じえないわけですね。

 

BBOYの多くは本質的には弱者排除意識の強い者達であるため、ダブルスタンダードで矛盾した行動になりまずもって信用されませんし、そもそも他にちょっかいかけてる暇があるなら練習しろよ、ともなりますし、そういった活動に注力してる時点で練習時間は割かれライバル達はその間にもどんどん先にいってるわけで、、、

 

歴戦の強者達がBBOYの皮をかぶったなにかに成り下がる、ということが今後さらに起こり得ることを考えただけで寒気がする。