怪我をしないことの重要性

あまり表だって語られることが無いbboyの怪我についてです。

 

bboyであり続ける限り怪我から逃れることはできません。

 

特にパワームーバーは深刻な怪我に悩まされていることが多く、一生付き合う必要が出る場合もあります。

 

スタイラーについても、ふとした瞬間に大きな怪我をすることも稀ではありません。

 

当たり前の話ですが、難度が上がれば上がるほど、過激な表現をしようとすればするほど肉体は壊れていきます。

 

bboyの怪我で多いのは手首と膝、腰あたりでしょうか。

 

重力に逆らい床と闘うジャンルが故に怪我の仕方も特徴的で、かつ深刻化・長期化しやすいきらいがあります。

 

考えて見れば当たり前の話で、bboyingほど日常生活とかけ離れた動きをするダンスジャンルも無く、日常とかけ離れた動きをすればするほど怪我の発生率は加速度的に上昇します。

 

普通に歩行をしていて怪我をする人は稀です。

 

それは二足歩行に特化した形態をしているからに他ならず、ごく自然な形だからです。

 

ももより太い二の腕の人はほとんど存在しません。

 

それは足で歩行をすることが人間として自然な姿であり、bboyingやサーカス・体操でもしてない限り腕で体を支える必要性がないからです。

 

現在の二足歩行は腕で体を支えることに意味が無いという結論です。

 

それが、しゃがんだ姿勢や逆立ちをメインとして、あまつさえそこに回転を加えるなどということは自ら怪我をしにいくようなもので、自然の摂理に反したものです。

 

無理を通せば必ず皺寄せが生じます。

 

そもそも無理を通そうとするジャンルであるが故に怪我の防止については一層声色高く叫ぶ必要があるにも関わらずあまり話題に上ることがありません。

 

怪我をした人間に対しては、ただただ運が悪かったねーで済ませる他人事ここに極まれり、の世界です。

 

怪我をすれば数週間、数カ月、数年を棒に振ることになります。

もしかするとダンス自体ができなくなるかもしれませんし、スタイルの変更を余儀無くされるかもしれません。

できていたことができなくなる失望感に襲われることもあるでしょう。

 

日々テクニックが深化しているbboying界において怪我の予防は最優先課題であり、コンクリートソウルな考え方は排除されるべきと考えています。

 

bboyingはもはやストリートダンスの枠組みにははまらないと考えてもいいかもしれません。

 

怪我によるデメリットが最も大きいジャンルがゆえにストリートであることに固執する必要性がまったくないからです。

 

これはカルチャーだから、という言葉で無理を強いる意見は最善を望む者にとっては害悪でしかありません。

 

怪我をしないためにどうしたらいいか。

 

怪我をしない強いフィジカル、怪我をしないような予防運動、怪我をしないような合理的な練習方法、怪我をしないようなケア、怪我をしないような日常生活。

 

怪我を予防することに対してもっと大きな関心が寄せられてもいいはずなんですが、なかなか浸透しないところにも大きな問題が潜んでいると考えていいかもしれません。