ユースオリンピック競技にブレイキン(ブレイクダンス)が正式採用

ユースオリンピックにブレイキンが正式採用です。

 

以前、ブレイキンとオリンピックは水と油で相性が良くない、という話を出しましたが、決定したからには前向きな方向で捉える必要がありますね。

 

果たして、これがオリンピック正式採用への試金石となるのか。

 

そもそも今回の件で「ユース」オリンピックが存在することを知った人も多々いる中で、やはり本チャンのオリンピックに比べると注目度というのはかなり低く、今回の件について一般の認知度は皆無に等しいと言わざるを得ません。

しかし、ブレイキンにとっては、後に大きな転換点として捉えられる歴史的な出来事となりうる可能性が非常に高いと思われます。

 

ただ、記事の中で「ジェスチャーなどは認められているが公序良俗に反するものは減点対象になる」という一文が、人によっては引っかかる部分なのかなと。

 

郷に入っては郷に従え、ということで、オリンピックという母屋の軒先を借りるわけですから、オリンピズムの根本原則に則る必要があるのは至極当たり前の話で、お行儀良くしなければいけません。

 

このへんを履き違えると、やれ「リアルじゃない」「誤解を招くような変質したブレイキンだ」などと批判してしまうわけですが、これはこれで源流から派生したブレイキンの1つの形として確立していくものとして、現在はあくまで過程であるに過ぎないと考えた方が正解なのかもしれません。

showcase、軟体、スレッド、オクタゴン、音ハメ、A-music、時間制等々、数多のルール・制約を設けたイベントが乱立し、現在まで考えられるありとあらゆるものを飲み込みながら成長してきたbboyカルチャーにおいて、オリンピック精神だけはbboyカルチャーと相反するからダメだ、という話にもならないわけで、オリンピック式のブレイキンが今後確立されていくだけの話だと思っています。

スポーツブレイキンを提唱する人間が現れ、スポーツとして特化していくような形になる可能性も十分に秘めており、それはそれで別のカテゴリーとして進化を遂げていくのかもしれませんが、あくまでブレイキンに内包されるものとして、bboyカルチャーの展開に寄与する存在として認識すべきかと。

 

20年前にワンハンドエアートラックスを連発することが想像できなかったように、原理原則は踏襲しながらも未来のbboyシーンは今とはまったく別の形になっている可能性を考えると、今回の件がどういった伏線となっているのか非常に興味深いですね。