bboyの地域性

北から南、色々なところに移り住んだ経験からbboyの地域性についてちょろっと。

 

現在はネットの発達により地域ごとの特色は昔ほど色濃くありませんが、それでも各地域ごとのコミュニティには独自のカラーが根付いています。

 

良くも悪くも流行りに流される点や一子相伝めいた超高等技術もほぼ無いため、時代を追った連続性はありませんが、その時その時でなんらかの特色を帯びています。

 

まぁそんなことは今さらあえて言わなくても見ればわかることなので詳細については省きますが、とりあえず上手くなりたければ特別なbboy仕様の練習環境が無い限りは南に住んだ方がいいですね。

 

単純に気温の関係で、北に行けば行くほど練習環境が過酷で、まず練習する気になりませんし、しても怪我の確率がかなり高いです。

寒い、というだけで諸々のパワー・スキルをする気が起きませんし、練習場所や時間も限定されてしまい、bboyとしての幅が狭められてしまいます。

 

総合的なことを考えたら断然東京なんですが、フィジカルのことだけを考えればさらに南かなと。

東京に来ても諸事情で沈んで消えていくbboyもかなり多いですし相当気合い入れないとアレですが。

プロとアマチュアの差

異様なまでに技術が発展したがゆえに、近年プロとアマチュアの差が歴然としたものになってきている。

 

キレ・スピード・パワー・スタミナであったり、クラッシュをしない正確性であったり、クリエイティビティであったり。

 

踏襲すべき要素が遥か彼方にまで伸びており、これから世界を目指すbboy達は棘の道を歩むどころの話ではなく、業火の炎に焼かれるような思いをすることになる。

 

気分が乗らないから今日は練習しない、だとか、痛いしできないからパワーやスキルはやりたくない、なんて戯言を言う暇も無いくらいに身を費やす必要がある。

 

つまらない地味なことを永遠に反復するアスリート性を帯びていないといけない時代になっている。

 

しかし、それだけの価値が今のところ無い、と言わざるを得ないのが現状だ。

 

プロ野球やプロサッカーの選手なら全く興味が無い者でも名前くらいは知っている。

 

有名なbboyの名前を全国民がそらで言えるような時代が来ない限りは、骨折り損のなんとやら、になる可能性が高い。

それぞれのベストバトル・ベストシーン

ネット上に腐るほど上げられているバトル動画。

 

はっきり言って全てを網羅することは物理的に不可能です。

 

ビッグイベントや身近なイベントにプラスアルファでその他を見ることができれば御の字、といったところでしょうか。

 

大量消費で次から次と捌いていかないと、バトル動画を見てるだけで一日が潰れてしまいます。

素材が少ない時代は、同じシーンを何百回も繰り返し見ることもありましたが、今ではよほど印象に残るバトルやシーンで無い限りは1回限り、あるいはトップロックを見た時点で見るのを止めたり、飛ばしてしまうことがほとんどです。

 

尋常ではないほどのバトル動画が溢れかえっている中、なぜか異様に印象に残っているバトルと言えば上げ合いのカマシ合いやkill the beatだったりするところは割と共通してるのかな、と思います。

あるいは、まったく異なる視点・価値観であれば、本当にベストバトルというのは千差万別で、最大公約数的なものが存在しえないのでは、という考えもあります。

 

超絶難易度でそつなくこなしあってるバトルよりも、大してレベルが高く無くても熱が伝わるバトルの方が単純に見ていて面白い、という部分が勝敗を超越したbboyバトルの醍醐味の1つではありますが、ともするとこうした考えを否定する向きもあることを考えれば、あなたのベストバトルは?という問いかけはそのbboyの本質に迫る手段として非常に有効ではないでしょうか。

良質なYoutubeレクチャー動画

世には様々なレクチャー動画が氾濫していますが、最終的に「練習あるのみ!」というなんとも言えないオチで終わることがほとんどであり、もう少し突っ込んだコツを知りたいと考えている人が大勢いるのではないでしょうか。

 

で、そんなに多くの動画を見ているわけではないのですが、頭一つ抜けているチャンネルを見つけましたので一応紹介してみます。

勝手に紹介するので一部伏字にしました。

 

と〇とらBreakTV

 

ここを見ている方でしたらもうご存じかと思いますが、ゲストが登場する回の動画はかなりわかりやすく、また既知の知識に再解釈を与え、ヒントに富んだ内容かと。

 

エアー黎明期に、ヒンジ・ワイパーの動きが重要だ!と力説されたことがありましたが、いまいち理解できずに悪戦苦闘したことがありました。

要はAトラで言うとこの流しの部分なわけですが、できない人間からするとどう流していいのかわからないというのが正直なところではないでしょうか。

 

また、レクチャー動画は基本出来る人間が一人で魅せる作業に終始しがちですが、出来ない側とともに描いている部分も比較・コントラストとして理解の度を深めることに一役買っているように感じました。

 

日本人によるレクチャー動画の中ではかなりわかりやすく、シリーズ化・クオリティの追及次第では今後bboyによるyoutubeチャンネルの中で追随を許さないものになるのでは、と感じました。

結局エアーって必要なの?

BBOYの花形ムーブであるエアー。

 

結論としてはできなくてもまったく問題ない、と考えています。

 

いや、もちろん出来た方が動きのバリエーションは広がるし、なにより一般受けが最高で超人感を味わえます。

なんなら全BBOYの悲願である激モテを達成できるかもしれません。

 

あくまで勝ちにこだわるなら、という注釈付きです。

 

歴代BC ONE王者でエアーを軸にしているBBOYがほとんどいないことを根拠としましょう。

エアーの印象が強いのはOMARくらいなもんで、その他の王者でエアーをしつこいくらいに差し込んでくるBBOYはほとんどいません。

 

エアーよりも、オリジナルスタイルに注力していることは明らかです。

 

パワームーブをするにしても繋ぎの独自性に重きを置いています。

 

現代のジャッジの基準がオリジナリティであったりミュージカリティだったりムーブのクリアさだったりとにかくオールマイティであることを求めているからです。

 

パワームーブはオリジナリティを出しづらく画一的になるきらいがあり、そのくせ、習得に時間がかかるというジレンマを抱えています。

 

勝つことを念頭に置いているBBOYはとりあえずエアーを数発連発できればいいと考えるでしょう。

勝つことを目標にしている場合、ワンハンドエアーに挑戦するよりも、その時間を別の要素に振り分けた方が遥かに効率がいいからです。

もっと言えばエアーは捨てても構わないと考えてるかもしれません。

 

初心者や素人は喜ぶけど玄人から評価されづらい、というデメリットを理解しており、勝敗を左右する権限を持ち得ている玄人におもねる必要があるからです。

 

また、エアーに執着しすぎるとその先に犬の道が待っていることを知っており、本質を見抜いているとも言えます。

 

いかに差別化を図るか、という観点からエアーは必ずしも必要ではない、と言い切っていいかもしれません。

BC ONE 2017

一年が過ぎるのはあっと言う間ですね、、、

 

BC ONE開催です。

 

BC ONE 2017のチャンピオンは誰になるのか。

 

世界最強のBBOYは誰なのか。

 

今現在において最も関心が高く、また最も過酷で価値のあるタイトル。

 

トーナメント表を見ればビッグネームが名を連ねているので、大方の予想は大体同じものになっているのかなと思います。

 

局所的な大番狂わせはあっても、大勢をひっくり返すまではいかなそうですね。

 

唯一気になるのは、LCCから勝ち上がってもTHESISが待ち受けている点ですね。

 

断崖絶壁から這い上がった先に鬼が待っているというか、、、

 

逆に言えば、そこで勝ち上がることができたならチャンピオンになる可能性も高く、シンデレラストーリーを見ることができるかもしれないという点で、エキサイティングな展開を期待してしまいます。

ブレイクビーターズを見た感想

結論から言えば求めていたものと違い眠くなってしまいました、、、。

 

可能な限り史実に基づいた当時の東ドイツのbboyシーン、そしてbboyのかっこよさ・本質が描写されていることを期待していましたが、、、。

 

この映画は葛藤と妥協が連続しています。

 

自由に自己表現をしたいけど社会主義のためにできない

 

成功するために信念を曲げないといけない

 

家族を守るために信念を曲げないといけない

 

好きなことを続けるためには信念を曲げないといけない

 

映画の本筋とは関係ない部分にも葛藤と妥協を窺い知ることができます。

 

当時の東ドイツでは存在しないであろうステッピンやエアー等の高難度のムーブが織り込まれており、bboyからすると違和感を覚えてしまう場面ではありますが、派手な技を入れてデフォルメした方が一般受けがいいとの判断なのでしょう。

ここでも史実に忠実にすべきか、それとも広く一般受けを狙うか、という葛藤と妥協を見ることができます。

bboy視点からすると、ネットで腐るほどムーブを見ることができる現代ですからあえて映画でエアーを見たいとも思いませんし、可能な限り当時のbboyシーンに沿った史実通りのムーブを見たかったわけで、現代のムーブが出てきた時点で興醒めしてしまい、その後の展開についてもフィクションを強く感じてしまい没入感を得ることはできませんでした。

bboyサイドが臨む要素は切り捨ててしまった感が否めません。

 

あくまでブレイクダンスを手段とした体制への反抗を描いており、ブレイクダンスそのものにスポットライトを当てているわけではないと感じました。

おそらく、当時の東ドイツの状況であればあらゆる資本主義的なものが題材として本作に流用可能でしょう。

ブレイクダンスじゃなくてもよかったんじゃない?というのが見終わって得た感想です。

 

また、全編を通してブレイクダンスってかっこいい!やってみたい!となるような場面がありませんでした。経験者フィルターを通してという部分もあるかもしれませんが、、、。

特にラスト付近にテレビ出演するんですが、なぜそこまでダサい方向に振り切ってしまったのか、、、という演出が不思議でなりません。

最終的にカタルシスを得るような構造になっていなくもないのですが、bboyが見る分にはなかなかきついものがあるのかなと。

繰り返し見ることのできない映画のワンシーンに触発され、それが合っているのか間違っているのかもわからない手探りの中で、社会主義的な色付けをされればダサいものになるのは必然であり、資料的な意味合いとしてはごく自然な流れとして特段違和感を覚えることではありませんが、当時の状況以前の問題として全体的にダサい味付けがなされている、という点に疑問符が付くというところでしょうか。

おそらく本作を見た一般客も、ブレイクダンスってなんかダサいね、、、という印象に終始してしまうのではないでしょうか。

 

映画としての面白みもいかんせん薄く、bboy視点からは消化不良になるような内容ではありましたが、資料的には意味があるので時間があれば見る価値はあるかと思います。