BBOYの下剋上

BBOY界は割と短いスパンで下剋上が起こりやすい土壌を備えています。

 

何かの拍子に上下関係がガラっと入れ替わることも珍しくありません。

 

特に近年においてはその傾向が顕著かと思います。

 

各種メソッドが確立したことで短期間での成長が可能であること

 

ニューエイジは難易度の高い技も基本技として捉えていること

 

動画サイトの発達によりインスピレーションを得る機会が爆発的に増えたこと

 

ブレイクダンス人口が増加したことで練習環境がある程度整っていること

 

各スタイルが完成されているので何をしたら良いのかがわかりやすいこと

 

これらの点からこれからBBOYINGを始める人はかなりコストパフォーマンス良く上達が可能かと思います。

 

ビデオを何回も何回も繰り返し再生してコマ送りで研究したり、何がかっこいいのかという価値基準があやふやな時代に比べると圧倒的なコスパの良さです。

 

そうした状況の中で下剋上は頻繁に発生しています。

 

TAISUKEやISSEIのような絶対王者の君臨を覆すことはなかなか難しいものがありますが、それすらいずれは取って代わられる運命にあります。

 

基本的に大多数のBBOYはある程度実力が拮抗していることがほとんどで、ふとしたことで立場が逆転することも珍しく無く、そして一度下剋上されるとほとんど覆すことはできません。

勢いのある若手が落ち目の老兵を討つわけですから当たり前の話ですね。

 

フィジカルに依存する割合が大きいジャンルのため加齢に伴い明らかにクオリティは下がり、現状維持の古代遺産のような存在になり下がってしまいます。

 

こう考えると10年後のBBOYシーンがどうなっているのか非常に楽しみですね。

red bull bc one 2016 果たして誰が優勝するのか?

誰が優勝するのか、、、

個人的に優勝する可能性の高い順に並べてみました。

 

neguin

victor

issei

lil zoo

bluce

taisuke

hong10

 

大方の予想もこんなもんでしょう(笑

上記以外のメンツは途中で散る可能性が高いのかなと、、、

毎回波乱含みの展開が繰り広げられるので、まったく予想だにしない結果になる可能性も十分にあり非常に楽しみですね。

 

日本開催ということで、フィジカル・メンタル的にissei、taisukeにはアドバンテージがあるので、今ノリにノッているisseiか、それとも最後のbc oneと公言しているtaisukeが有終の美を飾るのか、、、。

 

今回のbc oneは面白いことになりそうですね。

bboy Just Fit ~地方の活路~

言わずと知れたbc one japanで優勝経験のあるbboyです。

仕事、家庭、地方在住というbboy活動を継続するにあたって足枷となる要素を抱えつつも、top bboyとしてbc oneで名を馳せたことは日本のbboy界には衝撃的な出来事だったのではないでしょうか。

 

bboyシーンのメインは常に関東か関西か、といった様相を呈しており、人口比、環境を考えてもそれは当たり前の話ではあるのですが、そうであるがゆえに地方bboyの躍進がことさら新鮮に映る、という側面があります。

 

地方bboyが全国規模の大きなソロバトルで優勝することは並大抵のことではありません。

 

日々の練習をするモチベーションの段階で折れることがほとんどかと思います。

 

また、予選通過をしても本選では全国の高い牙城を突き崩すことがなかなかできません。

 

寒冷地であればあるほどスタイル重視になる傾向が見れらるのでスキル・パワー不足になることも全国の壁に阻まれる原因の1つでしょう。

東北や北海道ではスタイルメインのbboyが多く、パワーやスキルに関しては基本に留まり世界からはかなり遅れているような印象があります。

また世界的に見てもカナダや北欧に関してはスタイルメインのbboyが多い印象です。

カナダに関してはスレッドスタイルを生みだすような特殊な地域性がありますし、北欧はとにかく渋いといった塩梅で、寒冷地ならではの傾向と言ったものが読み取れそうです。

気温と運動の関連性は大いにあって、練習環境の整っていないbboy界ではさらに顕著かと思います。

 

こうした気候的なハンデと併せて、ビッグイベント開催がほとんど東京であること、練習仲間のレベルがあまり高くないことで低く留まるモチベーション、練習場所や周囲の理解度など首都圏と比べると雲泥の差があります。

 

それに家庭と仕事が覆いかぶさってくれば練習もままならなくなる人がほとんどではないでしょうか。

 

こうしたハンデを持っているにも関わらずソロで結果を出すことが可能であることを体現したbboyとしてjust fitは非常に稀有な存在なのではないでしょうか。

Top bboyの失態

BOTYに続きFSSも日本勢の大躍進でした。

 

特にisseiの勢いが凄いですね。

 

有名になるとディスが付き物の中で、isseiに関しては比較的ディスが少ないように思います。

全ての動きが同じように見える、などありきたりなディスに終始するばかりで、やはりあのエナジーの発露や場の支配力を見ると格が違うなと。

ivanまでは言い過ぎかもしれませんが、彼を彷彿とさせるようなカリスマ性ですね。

 

今回話題になったのはisseiの嘔吐、klejuのおふざけが過ぎる点でしょう。

 

isseiの嘔吐に関しては、肯定的な見方しかないのではないでしょうか。

嘔吐するような状態でもほとんどミス無く決勝まで勝ち抜くフィジカルの強さ、また嘔吐するまで自分を追い込むメンタルの強さ、などレジェンドになることが確定しているisseiにとっては勲章となるエピソードの1つになるかと思います。

 

それに引き換え、今回のklejuは少しおふざけが過ぎがっかりした人も多かったのではないでしょうか。

元々ああいったスタイルですし、ムーブレスポンスは重要な要素ではありますがルーティンの邪魔はドン引きものでしたね、、、。

観衆の引き具合もかなりのもので強烈なブーイングが起きてもおかしくないレベルです。

上げ合いの熱いバトルを見たいと思っているbboyが大半の中で、あの行為は完全にbboyとしての格を落としましたね。

あまりカマせていない上に寒いことをしてしまったおかげで、その後のisseiのカマシがさらに際立ってしまい、完全にピエロという、、、。

併せて序盤でのisseiのklejuへのアンサー、レスポンスはかなり笑えますが、対するklejuのアンサーは嘔吐の揶揄でそこは触れたらあかんやろ、、、という感じで、今回のklejuは触れてはいけないところに触れまくってbboyとしてのリスペクトも失い自滅したような形でしたね、、、。

 

lilouの飛び越し失敗やpacpacの謎の反抗期などビッグネームのbboyがおかしなことをするとことさらガッカリしてしまうので、その気概や反骨心をもっとムーブに注いで欲しいなと思う限りです。

 

バトルイベントの一般客

bboyバトルの一般客は少ないです。

 

なぜならbboyバトルに興味のある層が少ないからです。

 

普通の人は貴重な土日にbboyバトルを見ている暇など無く、そんなの見てる暇あったら野球観戦やライブに行くよ!という層の方が圧倒的に多いかと思います。

 

野球観戦には野球未経験の人も多くいますし、ライブには楽器に触れたことも無い人だって見に行きます。

 

bboyバトルは?

 

観客=参加者と言っても過言では無いでしょう。

あるいはダンス関係者。

その他の未経験者は付き合いや諸事情が無い限りイベントに足を運ぶことはありません。

 

まぁあまりにもマイナーなため当たり前と言えば当たり前なんですが、調査によると現在のストリートダンス人口は600万人ほどいるとのことです。

ストリートダンスは、です。

そのうちbboyが一体何人いるのかはわかりません。

 

そして、そもそもどういった基準でストリートダンス人口としてカウントしているのか謎ではありますが、とにもかくにも日本で600万人がストリートダンス経験者であると。

日本の人口の約5%です。

ざっくりとですが100万人の都市であれば5万人ほどの経験者がいることになります。

100万と言えば政令指定都市の規模ですが、こうした都市では5万人がストリートダンスに興味があることになりますが、ダンスイベントに来場する人数は、、、、となると恐ろしく乖離があります。

もちろん全員が全員見に来るわけではありませんし、興味のあるジャンルも異なるでしょうから杓子定規にいくものではないでしょうが、ある特定のジャンルのイベントを行ったとしてもほとんどは2桁ほどの来場数です。

 

現場に来場する人数はカウントされているダンス人口に対して1%未満です。

というか0.3%ほどだと思います。

 

600万人もいればいくらでも客が入りそうなものですが、、、、

 

気付きが全てを変える

bboyには2種類しかありません。

 

いつまで経っても現状維持のbboy

 

時の経過とともに常に成長していくbboy

 

 

現状維持はbboyにとって最も唾棄すべき概念と考えていいかもしれません。

 

これでいいんだ

 

変わる必要がないんだ

 

という保守的な思考が、アグレッシブで常に革新を求めるbboyカルチャーと相反するものだからです。

 

これが俺のスタイルなんだ

 

とぶち上げる輩もいますが、本来的な意味を履き違えています。

 

パワーしかできないから、スタイルができないから、音が聞けないから

 

パワーしかしない、フットワークしかしない、リズムは刻まない

 

好きなことしかしない、できないbboyが口にする言葉には諦観が滲み出ています。

 

これが俺のスタイルだから貫くんだ

 

という耳心地の良い言葉で自分も周りも騙して、苦手なことや辛いことから逃げているだけです。

 

本来はあらゆることに限界まで挑んだbboyにしか口にすることができないセリフが、なぜか一般性を持って浸透してしまった結果、誰もかれもが口にする逃げ口上となってしまいました。

 

現状維持の後押しをしてしまうネガティブワードです。

 

翻って成長し続けるbboyとは?

 

とにかく自分に制約を設けず、あらゆる可能性を考慮していること。

 

そして気付くこと。

 

あんなに下手だったのに気付いたら驚くほど上手くなっている、という経験があるかと思います。

 

いずれも大きな気付きを契機として、小さな気付きを積み重ねていく好循環に入っていくことに成功した人達です。

 

気付き。

 

bboyに限らないことですが、これほど強力に行動習慣を変えるものはありません。

 

気付くことでbboyとしての根幹から変わっていきます。

ダンスにのめり込むことの代償

 人生を過ごす中で、大部分の人間はなるべく後ろ指を差されないような生き方を選択していきます。

 それは様々な経験を経る中で、そうした生き方が最も楽で精神的にも安定し、詰まる所、生存に適していることを学習するからです。

 人生は生存競争に生き抜くだけでは満たされません。

 財力、地位、名誉、他人からの称賛、精神的な充足、優越感、、、あればあるだけ人生は満たされていきますし、満たされた次の瞬間にはまた新たな渇きを感じ次から次へと欲望は押し留まることを知りません。

 

 ダンスに重心を強く置く者は、人生において最低限の必要な物すら持つことが困難な、いわゆる底辺、持たざる者に分類されることが多いです。

 一般社会で、今まで培ったダンススキルを活かすことはほぼできません。町興しや地域振興という大義名分を掲げたところで、結局満足するのはダンサーのみで、地域の住民は特に何とも思っていません。ただただ繰り返される日々の中で通り過ぎる取るに足らない事象の1つという認識しかありません。こうしたボランティアじみた行動は、主催者やダンサーの一時的な虚栄心を満足させるだけの徒労に終わることが往々にしてあり、やっている本人達ですらやってもやらなくても同じ、ということを薄々自覚している節もあります。時間と労力を無駄にしており、圧倒的なコストパフォーマンスの低さです。

 ダンサーはとにかく金が無い、時間が無い、人脈が無い、の無い無い尽くしのテンプレートのような存在です。

 やらないといけないことから逃げ続け、薄給のバイトをこなしながら、ダンス仲間と練習しかしていませんから当然ではありますが、ダンス以外何も残らなくなります。

 逃げ続けると逃げ癖が付きますし、逃げ癖が付いている人からはチャンスも逃げていきます。ある意味、負のバリアーを張ったような状況で、つるむ人間も環境も変わらないため思考は硬直化の一途を辿り一般常識からかけ離れた人間が出来上がります。

 

 そうした状況ですから、人生の難所を乗り越え、やることをやってきた人間達とは通常交わることがありません。

 社会人になってからダンサーと関わることが無いので、ダンサーのリアルがまったくわからず理解の示しようもなく、通り一遍のネガティブなイメージでしか捉えることができないこともダンサーへの理解がまったく浸透しないことの一因でもあるでしょう。

 仮に関わったところでネガティブなイメージが増幅するだけなのでそれも善し悪しではありますが、、、

 

 学生は好成績を残し偏差値の高い大学に行けば、いくらダンスをしようが何も言われませんし、社会人も仕事がデキるならば同様に何も言われないでしょう。

 

 自分に何も無いがゆえに、欲望の代替行為としてダンスにのめりこみすぎてしまう人達がいる、ということはあまり語られないことですが事実として存在します。

 

 自身のアイデンティティを確立するために始めたものが、本末転倒しいつしか自分自身を破壊することのないように、、、